大阪府医師会の東北大震災被災地医療支援参加報告

2.日本医師会災害医療チーム
JMAT(Japan Medical Association Team)の一員として


期  間

 平成23年4月1日(津波発生21日目)から4月4日まで。

経  路

 伊丹発いわて花巻空港着の空路で被災地入り。

任  務

 岩手県大槌町県立大槌高等学校(避難所)での医療活動

医療システム

 岩手県医師会の要請、管理の下に各避難所の診療所で診療する。また、避難所診療所以外の集落回診ということもある。
活動詳細 AMDA(Association of Medical Doctors of Asia)が3月17日から診療所を開設しており、その指導の下に診療所診療、避難所回診を行う。青森県医師会チーム、千葉県医師会チームと合同作業です。

医療内容

 慢性期のもの〜投薬されている薬の継続投薬。(高血圧、糖尿病、高脂血症、甲状腺疾患、心臓病、不眠症など)
 急性期疾患〜津波時の負傷、瓦礫のなかの歩行時の負傷、破傷風トキソイド接種。湯たんぽでの熱傷、感冒、花粉症、など。
 避難所回診〜褥瘡処置など。

大槌町被災状況

 死亡確認済み 250人 未確認350人 行方不明 1,000人。町長死亡、町職員半数死亡、県立大槌病院破壊機能できない。正常に残っている住宅が少ない。

津波発生後3週間後の状況

 はじめの1週間は1日に小さいおにぎり1個の配給であったが、今は、食料は沢山あるものの、種類がすくないため、献立に苦労する程度になっている。電気、プロパンガス、水道、ガソリン、灯油は困らない程度にはある。日用品、お菓子、衣類、はきものなど支援物資は多く届いている。自衛隊の入浴サービス。弁護士会の法律相談。散髪のボランティア。銀行の出張サービス。移動ポスト。NTT移動電話。などの活動がみられる。

 そうした状況での医療ですから、初めの日はまだ薬剤が少なく、遠方からの患者さんしか長期投与はさけていましたが、その2日後にはすべての患者さんに長期投与できるようになるまで薬品が揃ってくる状態です。

継続的医療の構築をめざして

 そこで、以後の医療チームのために、在庫薬剤のPC入力、患者のリストのPC入力を完了しました。

問題点、感想など

*岩手県医師会の要請の下で活動するということになっているが、不明のことがらを問い合わせても、要領を得ない。実際にはAMDAが仕切っており、AMDAの指導下にある。
*不足医薬品の注文は大槌病院の副院長にお願いすると持ってきてくれるが、少し変では?
*隣町の山田町の状態はもっと悪いというので、行ってみると、薬品は豊富で、担当の北海道、名古屋の医師会がしっかり活動していた。メンバーが代わるからでしょうが、横の連絡がとれないのは不安です。
*山田町医師会の医師が地元医療の再建に大槌町と協力したいと来られた。大阪府医師会は医師会として、地元医師会の復興に協力してほしい。
*今週からはさらに状況が変わると予想される。支援を継続するならビジョンが必要です。

【写真帳】2011/4/1〜4/4 被災地の様子(中村積方先生 活動報告:1回目)>>

(中村診療所 中村 積方)