病診連携

大阪中央病院

整形外科 薮野 亙平


DX、Covid-19 時代の人工関節手術(2020.11.18)

DX(デジタルトランスフォーメンション)は、世界的潮流であり、各国で大きなパラダイムシフトが起きています。2016年台湾では、デジタル大臣オードリータンが就任し、政府の透明化プラットフォームの作成など社会に大きな変革をもたらしています。本邦においても2020年、菅内閣にデジタル大臣として平井氏を任命し、デジタルの時代に変わっていくことが予想されます。さて、整形外科において、特に人工関節領域は、デジタル化による biomechanics の研究、Computer assisted surgery など非常にデジタルとは造詣の深い分野であります。DX、Covid-19時代に、さらなる発展を遂げると思われます。今回、DX時代こそアナログ力が必要も含め、以下の4項目について説明させていただきます。

● AI解析による3Dプリンターテーラーメイドガイドによる満足度アップ
● ナビゲーションシステムDAAにより脱臼が0に
● ロボットリハビリテーションにて3密をさける
● DX時代こそ必要なアナログなもの(PX)

● AI解析による3Dプリンターテーラーメイドガイドによる満足度アップ
現在、当院では術前、術後評価を3Dで確認し、さらにその情報を3Dプリンターで骨などの組織を造型しています。この過程をすすめるにあたり専用ソフト(Zhip、Zknee)を使用しています。このソフトはAIによるインテリジェント・オートォーメンションされ一連のプロセスが自動化できます。テーラードメードにすることにより、本来の患者様が持っていた自然なアライメントに人工膝関節が設置でき、満足度の向上につながります。

● ナビゲーションシステムDAAにより脱臼が0に
現在、レントゲン、CT、MRIなどは、Dicomというファイル形式になり、デジタル化が当たり前の時代になりました。デジタル化したCTデーターを正確な位置情報を与え、ナビゲーションにて患者さんのニーズに合わせた位置に人工関節を設置いたします。そして、正確に設置しても、筋肉、神経、血管損傷を起こしていけません。前方アプローチ(DAA)は、解剖学者ホッペンフェルドが提唱するインターナーバスプレーンの理論に基づいた最も低侵襲のアプローチであり、それにより早期回復、術後脱臼がゼロに近づき、より自然な関節になります。

● ロボットリハビリテーションにて3密をさける
院内で3密になりやすいリハビリテーションにおいて、海外では、テレリハビリテーションとしてネットを通して行ったりしていますが、本邦では、まだ保険医療として認可されていませんので、対面で行う必要があります。これまで、術後リハビリテーションでロボットリハビリテーションの有効性は報告しました。

● DX時代こそ必要なアナログなもの(PX)
最後になりましたが、After DXこそ、アナログ力です。PX(patient experience)として、人工関節を施行した患者同士のコミュニケーションの場や医療スタッフと患者様の意見交換ができる場として、ウォーキング会を行いました。今後、Covid-19が終息し After DXにこそ有用ツールになると思います。

※ 詳細な内容は以下をご参照ください。
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